技術
ネスティングで材料歩留まりを上げる
板金加工の原価で見過ごせないのが材料費。1枚の板から無駄なく部品を取るネスティングの考え方と、現場で効く工夫を紹介します。
2026-09-15
歩留まりはどこで失われるか
ネスティングとは、定尺材や端材の上に部品をどう並べるかを決める作業です。歩留まり(材料のうち製品になった割合)は、部品の形だけでなく配置の仕方で大きく変わります。材料のロスは、主に次のようなところで生まれます。
- 部品と部品のすき間
- 板の端に残す余白
- 再利用されずに終わる端材
- 試し切りや不良で失う材料
同じ部品を同じ数だけ作る場合でも、配置の工夫しだいで必要な板の枚数が変わることがあります。まずは自社の材料ロスがどこで生じているかを把握すると、手を打つ順番が見えてきます。
配置で効く5つの工夫
| 工夫 | ねらい | 注意点 |
|---|---|---|
| 部品間隔・端の余白の適正化 | すき間のロスを減らす | 詰めすぎると熱の影響や部品の傾きが出やすい |
| 回転配置の許可 | 形の凹凸をかみ合わせる | ヘアライン材の目の向きや、曲げ部品の圧延方向に制約がある場合も |
| 穴の中に小物を配置 | 大物の抜き穴を活用する | 小物の落下・傾きに注意 |
| 共通線切断 | 隣り合う辺を1回で切る | 形状や品質要求によっては向かない |
| 同材質・同板厚の混載 | 複数の注文をまとめて取る | 部品の識別と納期の優先順位を管理する |
部品間隔は板厚が増すほど広めに取るのが一般的です。自動ネスティングの設定値を、材質・板厚ごとに見直すところから始めるとよいでしょう。
端材を「在庫」として管理する
ネスティングで残った端材も、次の仕事の材料になります。ただし、置き場に積まれるだけでは歩留まりは上がりません。
- 再利用する最小サイズの基準を決める
- 材質・板厚・寸法を端材に書いて保管する
- ネスティング時に端材を優先して使う
- 基準に満たないものは定期的にスクラップへ回す
板を使い切る段階で、残りを使いやすい四角形に切り取っておくと、次回の配置がしやすくなります。定尺材も、加工機のテーブルに載る範囲で、サブロク・シハチなど部品構成に合ったサイズを選ぶと無駄が減ります。
歩留まりと加工時間のバランス
歩留まりだけを追うと、切断経路が長くなったり、熱が一か所に集中して精度が落ちたりすることがあります。部品が取り出しにくい配置は、後工程の手間を増やす場合もあります。材料費・加工時間・品質を合わせて評価するのが現実的です。
CAMでのデータ作りは加工データ作成・CAMの基礎ガイド、ロットの組み方は板金受託のロット最適化もあわせてご覧ください。実際の部品データでの配置や加工のご相談はお問い合わせから承ります。
よくある質問
自動ネスティングに任せれば十分ですか?
配置の計算は自動機能が得意ですが、回転の可否や材料の目の向き、優先したい納期といった条件は人が設定する必要があります。条件を整えたうえで、結果を目で確認する運用が確実です。
端材はどこまで残せばよいですか?
再利用できる大きさと形の基準を社内で決めておくのがおすすめです。材質・板厚・寸法を表示して保管し、次のネスティングで優先して使う仕組みにすると、置き場だけが埋まる事態を防げます。
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2026-09-15 / カテゴリ: 技術 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)