技術
異種金属の溶接 - 難しさと考え方
鉄とステンレス、銅とアルミなど、違う金属どうしをつなぐ溶接には、同じ金属どうしとは別の注意点があります。
2026-10-24
異種金属の溶接が難しい理由
異種金属の溶接とは、材質の違う金属どうしを溶かしてつなぐことです。同じ金属どうしの溶接と比べて難しくなるのは、主に次の性質が材料ごとに違うためです。
- 溶ける温度が違い、片方だけが先に溶けてしまう
- 熱の伝わりやすさが違い、熱が片側に逃げやすい
- 熱による伸び縮みの量が違い、冷えたあとに割れや反りが出やすい
- 組み合わせによっては、溶けて混ざった部分に硬くてもろい層ができる
とくに最後の点は、見た目がきれいでも強度が出ない原因になります。外観だけで良否を判断しにくいのが、異種金属溶接の難しいところです。
組み合わせによって難易度は大きく違う
異種金属といっても、組み合わせによって扱いやすさは大きく変わります。一般的な傾向を整理すると、次のようになります。
| 組み合わせの例 | 一般的な傾向 |
|---|---|
| 軟鋼とステンレス | 比較的実績が多い。溶加材の選び方と入熱管理が要点 |
| 銅とステンレス・鉄 | 銅の熱の逃げやすさと反射への対策が必要 |
| アルミと鉄・ステンレス | もろい層ができやすく、溶接だけで強度を出すのは難しい |
ここに挙げたのはあくまで一般論で、板厚や形状、求める強度によって結論は変わります。材料そのものの性質は金属加工ガイドも参考になります。
レーザー溶接で意識したいポイント
レーザー溶接は熱を狭い範囲に集中できるため、溶けて混ざる量を小さく抑えやすい方式です。異種金属では、この混ざる量をどう管理するかが要点になります。
- ビームの狙い位置を、溶けにくい側や熱が逃げやすい側に少し寄せて調整する
- 必要に応じて溶加材(ワイヤー)を使い、溶けた部分の成分を整える
- すき間と面の段差をそろえ、治具で位置を安定させる
- 表面の油や酸化膜を落としてから溶接する
狙い位置や溶加材の選定は材料の組み合わせごとに答えが違います。必ず実際の材料で試し溶接を行い、切断して断面を確認するなど、外観以外の方法でも確かめてください。
溶接以外の方法も視野に入れる
異種金属の接合は、溶接だけが答えではありません。ボルトやリベットなどの機械的な締結、ろう付け、接着など、用途によってはこちらの方が確実で安く済む場合もあります。
また、異なる金属が接した状態で水分があると、片方が腐食しやすくなる電食という現象が起こることがあります。使用環境も含めて接合方法を選ぶことが大切です。溶接での対応を検討される場合は、材料と用途をお知らせいただければお問い合わせフォームからご相談いただけます。
よくある質問
異種金属の溶接は、溶接部を見ればうまくいったか分かりますか
外観がきれいでも、内部にもろい層ができていたり、割れが隠れていたりすることがあります。重要な部品では断面の確認や引張・曲げなどの試験で強度を確かめることをおすすめします。
どの組み合わせでもレーザー溶接できますか
組み合わせによっては、溶接だけで十分な強度を得るのが難しい場合があります。材料、板厚、求める強度を整理したうえで、試し溶接で確認してから判断するのが確実です。
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2026-10-24 / カテゴリ: 技術 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)