技術
溶接ビードの見方 - 外観で分かる良否のサイン
溶接の良し悪しは、まずビードの外観に表れます。アンダーカットやピットなど見逃したくないサインと、原因の考え方を整理しました。
2026-09-23
外観検査は品質確認の入り口
ビードとは、溶接によってできる帯状の溶接金属の部分のことです。外観検査は特別な設備がなくても全数に対して行える、品質確認の入り口です。ビードの形や表面の状態には、条件のずれや前処理の不足、ガスの不具合といった原因のヒントが表れます。
ただし、外観で分かるのは表面に現れた情報だけです。内部の溶け込みの深さや内部の気孔までは判断できないため、重要な部品では断面の確認や非破壊検査などと組み合わせます。観察するときは、明るい照明の下で角度を変えながら見て、必要に応じてルーペを使うと、細かな割れやピットを見落としにくくなります。
形に表れるサイン
| サイン | 見え方 | 考えられる主な原因 |
|---|---|---|
| 幅のばらつき・蛇行 | ビードの幅が太くなったり細くなったりする、線が曲がる | 速度や狙い位置のぶれ、隙間の変化 |
| アンダーカット | ビードの縁に沿って、母材がえぐれた溝ができる | 入熱や速度が合っていない、狙い位置のずれ |
| オーバーラップ | 溶けた金属が母材になじまず、縁に覆いかぶさる | 速度が遅い、溶加材が多い、母材側の溶け不足 |
| 裏側の溶け込み不足 | 裏まで溶かす設計なのに、裏側まで溶けていない | 出力不足、速度が速すぎる、隙間や焦点のずれ |
レーザー溶接はビードが細いため、わずかな狙いのずれでも片側の溶け不足につながります。
表面に表れるサイン
| サイン | 見え方 | 考えられる主な原因 |
|---|---|---|
| ピット | 表面に小さな穴があく | 油分・水分・塗装などの汚れ、シールドガスの不足や乱れ |
| 割れ | ビードや終端のくぼみ(クレーター)に線状のひびが入る | 材料の性質、急な冷却、終端の処理不足 |
| スパッタ | ビードの周りに粒状の飛び散りが付く | 条件の不適合、表面の汚れやめっき |
| 強い焼け色 | ビードの周辺が濃く変色する | シールドガスの不足、入熱が大きい |
表面のピットの奥には、内部の気孔(ブローホール)が隠れていることもあります。また割れは、多くの場合に許容されない重大な欠陥です。見つけたら、条件と材料の組み合わせから見直してください。
基準と記録で判断をそろえる
外観の良否は、人によって判断がぶれやすいのが難点です。図面や取引先の基準をもとに、合格と不合格の境目を示す限度見本や写真を用意しておくと、検査する人が変わっても判断をそろえられます。
- 良品と不良品のサンプルを並べて保管する
- 不良が出たら、写真と溶接条件をセットで記録する
- 条件を変えたら、外観と断面の両方で確認する
欠陥の多くは継手の設計とも関係します。設計面はレーザー溶接の継手形状と設計のコツ、検査の仕組みづくりは品質管理・検査ガイドをご覧ください。実際の材料で溶接して外観を確かめたい場合は、お問い合わせからテスト溶接をご相談いただけます。
よくある質問
外観がきれいなら強度も問題ありませんか?
外観だけでは、内部の溶け込みや内部の欠陥までは判断できません。重要な部品では、断面を確認する試験や非破壊検査などを組み合わせて品質を確かめます。
レーザー溶接とアーク溶接でビードの見方は変わりますか?
確認すべきサインの多くは共通です。ただしレーザー溶接はビードが細く、熱の入る範囲も狭い傾向があるため、幅のばらつきや狙い位置のずれ、裏側の溶け込み具合を特によく確認します。
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2026-09-23 / カテゴリ: 技術 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)