基礎

パルス発振と連続発振(CW)の違い - 加工別の使い分け

レーザーの光の出し方には、連続発振(CW)とパルス発振があります。何が違い、どの加工に向くのかを基礎から整理します。

2026-09-14

違いは「光の出し方」

連続発振(Continuous Wave、略してCW)は、一定の強さの光を途切れさせずに出し続ける方式です。蛇口を開けて水を流し続けるようなイメージで、出力(W)の値がそのまま、加工点に送り込むエネルギーの目安になります。

パルス発振は、光を短い時間だけ出しては止める動作を、高速で繰り返す方式です。1回の発光が続く時間をパルス幅、1秒あたりの発光の回数を繰り返し周波数と呼びます。短い時間にエネルギーを集中させるため、発光した瞬間の強さ(ピーク出力)は、時間で平均した強さ(平均出力)よりも大きくなります。同じエネルギーなら、パルス幅が短いほど瞬間的な強さは高くなります。同じ平均出力でも、パルス幅や周波数の設定によって加工の性格が大きく変わるのが特徴です。

特徴を比べる

2つの方式の違いを、加工の現場で意識したい観点に絞って並べると次のようになります。特に「熱の入り方」の違いが、向いている加工の違いにつながっています。

観点連続発振(CW)パルス発振
光の出方一定の強さで出し続ける短い発光を高速で繰り返す
熱の入り方熱が連続して入り、材料を溶かす加工に向く瞬間的に強い光を当てるため、周囲への熱の広がりを抑えやすい
主な設定項目出力・速度平均出力・パルス幅・周波数・速度
代表的な用途切断・溶接マーキング・微細加工・洗浄
この区分はあくまで目安です。連続発振の機械でも出力のオンオフや強弱を制御して使うことがあり、パルス発振でも平均出力や周波数が高ければ熱はたまります。

加工ごとの使い分け

  • 切断:材料を連続して溶かし、アシストガスで吹き飛ばすため、連続発振が中心です。厚板の穴あけ(ピアス)などでは、出力をパルス状に制御する方法も使われます
  • 溶接:連続発振が広く使われています。小さな部品のスポット溶接など、狙った点に決まった量の熱を入れたい用途では、パルス発振が使われることもあります
  • マーキング:表面をわずかに変化させたり削ったりするため、パルス発振が一般的です
  • 洗浄:連続発振を使う機械とパルス発振を使う機械の両方があります。パルス方式は短い発光で汚れの層を取り除くため、母材への熱の影響を抑えやすいのが特長です

同じ「洗浄」でも、除去したい汚れの厚さや母材の種類によって、向く方式は変わります。厚板での穴あけの考え方はピアスタイム短縮で生産性アップも参考になります。

選ぶときは「目的」から

カタログの出力(W)だけで能力を比べると、見誤ることがあります。パルス発振の機械では、平均出力のほかにピーク出力やパルスエネルギー(1回の発光のエネルギー)、パルス幅によって、できる加工が大きく変わるためです。仕様を比べるときは、どの値で表記されているかも確認しましょう。

当社の取り扱い機種では、FL-PLCがパルス方式のレーザー洗浄機にあたります。さびや塗膜を取り除くケレン用の機種で、溶接機ではありません。

溶かしてつなぐのか、表面だけを変化させるのか、汚れの層だけを取るのか。まず目的を整理すると、必要な発振方式が見えてきます。実際の仕上がりは条件設定や加工ヘッドの構成でも変わるため、最終的には試し加工で確かめるのが確実です。迷ったときは機種診断で候補を絞ってみてください。

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よくある質問

パルス発振なら熱影響はまったく出ませんか?
まったく出ないわけではありません。短いパルスは周囲への熱の広がりを抑えやすい一方、平均出力や繰り返し周波数が高いと熱はたまります。素材と目的に合わせた条件設定が必要です。
連続発振のほうが高性能ということですか?
優劣ではなく、得意分野の違いです。材料を溶かしてつなぐ・切る加工には連続発振、表面をわずかに変化させる加工や汚れの層だけを取る加工にはパルス発振が向く、というように目的で選びます。

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2026-09-14 / カテゴリ: 基礎 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)