基礎

MOPAファイバーレーザーとは - カラーマーキングの仕組み

ステンレスに色を付けるカラーマーキングで注目されるMOPA方式。一般的なファイバーレーザーとの違いと、発色の仕組みをやさしく解説します。

2026-09-12

MOPA方式とは?

MOPAは「Master Oscillator Power Amplifier」の略で、主発振器(シード光源)でつくった弱いパルス光を、後段のファイバー増幅器で強める構成のファイバーレーザーです。波長は一般的なファイバーレーザーと同じ約1μm帯で、主に金属や一部の樹脂へのマーキングに使われます。

マーカーで広く使われているQスイッチ方式では、パルス幅(1回の発光の長さ)は発振器の構造でほぼ決まり、繰り返し周波数を変えると連動して変わりやすい性質があります。これに対してMOPA方式はシード光源を電気的に制御するため、パルス幅と周波数を比較的独立して設定できます。熱の入り方を細かく作り分けられる点が、両者の大きな違いです。原理の基本はファイバーレーザーとはもご覧ください。

色が付く仕組み - 酸化皮膜と光の干渉

ステンレスやチタンにレーザーを当てると、表面が加熱されてごく薄い酸化皮膜ができます。皮膜の表面で反射した光と、皮膜の下の金属で反射した光が干渉し合うことで、特定の色が強調されて見えます。溶接部の周りに出る焼け色(テンパーカラー)と同じ原理で、塗料やインクで色を付けているわけではありません。

色は主に皮膜の厚さで決まり、皮膜が厚くなるにつれて黄色系から茶色、紫、青へと移っていくのが一般的です。皮膜の厚さは、素材に与える熱の量で変わります。そのため、パルス幅・周波数・出力・走査速度・塗りつぶしの間隔といった条件を組み合わせて、色を作り分けます。熱の入り方を細かく調整できるMOPA方式は、この作り分けに向いているとされています。マーキング方式全体の違いはレーザーマーキングの種類で整理しています。

カラーマーキングを安定させるポイント

発色は条件のわずかな違いで色味が変わるため、再現性をどう確保するかが品質の分かれ目です。

  • 素材の種類やロット、表面の仕上げ(ヘアライン・鏡面など)をそろえる
  • 焦点位置とワークの高さを一定に保ち、治具で位置決めする
  • 表面の油分や汚れを事前に取り除く
  • 連続加工で部品が温まる場合は、温度による色の変化も考慮する
  • 色ごとの条件を記録し、試し打ちの見本と照らして管理する

同じ色を長く安定して出し続けたい場合は、条件だけでなく、材料の調達先や表面処理が変わっていないかにも注意が必要です。

色の印象は、見る角度や照明によっても変わります。納入先と色を取り決める際は、実物の見本で合意しておくと行き違いを防げます。

MOPAが活きる用途と選び方

MOPA方式はカラーマーキングのほかにも、アルマイト処理したアルミへの黒っぽいマーキングや、熱に敏感な樹脂への焦げを抑えたマーキングなど、熱の入り方を調整したい用途で使われています。

一方で、一般的な文字やシリアル番号の刻印が中心であれば、Qスイッチ方式で十分なケースも少なくありません。発色の色味や持ちは素材と使用環境によって変わり、研磨や摩耗、薬品で変化することもあります。MOPA方式かどうかは外観では分かりにくいため、機種を比べる際は仕様書で発振方式やパルス幅の設定範囲を確認するとよいでしょう。まずは必要な表示内容と使用環境を整理し、実際の材料で試してから方式を選ぶのが近道です。サンプル材でのテストマーキングはお問い合わせからご相談ください。

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よくある質問

どんな色でも出せますか?
印刷のように任意の色を指定できるわけではありません。色は表面にできる酸化皮膜の厚さで決まるため、素材や表面の状態によって出せる色の範囲や再現性が変わります。実際の材料で試して、使える色を確認するのが確実です。
発色した色は消えませんか?
インクのように剥がれるものではありませんが、表面の酸化皮膜による色のため、研磨や摩耗、薬品などで変化する場合があります。屋外で使う部品や洗浄を繰り返す部品などは、使用環境に合わせて事前に確認しておくと安心です。

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2026-09-12 / カテゴリ: 基礎 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)