技術

アクリルのレーザー切断 - 透明な切断面へ

アクリルはレーザー切断と相性のよい素材です。板の種類による違い、切断面をきれいに仕上げる考え方、火災を防ぐ注意点を解説します。

2026-11-02

アクリルとレーザーの相性

アクリルは、レーザーの熱で溶けながら蒸発する性質があり、条件が合えば切断面がつやのある仕上がりになります。刃物による切断では必要になる磨きの工程を減らせる場合があるため、看板やディスプレイ、ケース類の製作で広く使われています。

アクリルの切断には、樹脂によく吸収されるCO2レーザーが一般的に用いられます。金属の切断に使われるファイバーレーザーは、透明なアクリルには吸収されにくく、切断には向きません。

レーザー切断は刃物を使わないため、素材を押さえつける力がかからず、細かい形状や鋭い内角も加工しやすいという特長があります。型を作らずにデータから直接加工できるため、試作や少量の製作にも向いています。

キャスト板と押出板の違い

アクリル板には、製法の違いでキャスト板と押出板があります。見た目は似ていますが、加工したときの性質が異なります。

種類加工時の傾向
キャスト板彫刻すると白くはっきりと表れやすい。厚みのばらつきがやや大きい
押出板厚みが安定している。溶けやすく、彫刻の跡が目立ちにくい

また、色付きの板や、表面に加工が施された板は、透明な板と同じ条件では仕上がりが変わることがあります。新しい種類の板を使うときは、少量を取り寄せて切断と彫刻の両方を試してから、本番の材料を手配すると安心です。

彫刻を伴う製品か、切断だけの製品かによって適した板が変わります。材料を発注するときに製法を確かめておくと、仕上がりの差に悩まされにくくなります。

切断面をきれいに仕上げる考え方

切断面の仕上がりは、出力と速度の釣り合い、エアの当て方、焦点位置などで変わります。

  • 速度が速すぎると、切断面に筋が残りやすい
  • エアが強すぎると、溶けた面が冷えてつやが出にくい
  • 板の下にすき間がないと、裏面に反射の跡や焼けが付く
  • 保護紙は、表面の汚れや曇りを防ぐ役目がある

加工テーブルの汚れも仕上がりに影響します。テーブルに付いた樹脂のかすは、反射や発煙のもとになり、裏面の焼けにつながります。定期的に清掃し、傷みが進んだ部品は取扱説明書に従って交換します。

適した条件は板厚や機械によって異なるため、端材で確かめながら決めます。加工事例は樹脂・アクリル加工のソリューションをご覧ください。

火災を防ぐために

アクリルは燃えやすい素材です。切断中に炎が立ち上がることがあり、そのまま放置すると火災につながります。

加工中は機械のそばを離れず、炎の様子を見守ってください。排気装置を動かし、消火器具をすぐ使える場所に備えておきます。

加工で出る煙やにおいは、作業者の健康だけでなく、機械の光学部品の汚れにも関わります。排気の経路やフィルターの状態を定期的に点検し、吸い込みが弱くなったと感じたら早めに手入れをします。

また、見た目がアクリルに似ていても、塩化ビニルなど加熱で有害なガスが出る素材があります。材質が分からない板は加工せず、SDSなどで確かめてから扱ってください。安全の基本は機械の取扱説明書に従います。

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よくある質問

厚いアクリル板もきれいに切れますか。
板が厚くなるほど、切断面の上下で仕上がりに差が出やすくなります。切れる厚みと仕上がりは機械の仕様や条件によって異なるため、希望の板厚で試し切りを行って確認するのが確実です。
切断したアクリルにひびが入ることがあるのはなぜですか。
切断の熱によって切断面の付近に力が残ることがあり、その状態でアルコールなどの溶剤が触れると細かなひびが出る場合があります。清掃に使う薬剤は、材料メーカーの注意事項を確認して選んでください。

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2026-11-02 / カテゴリ: 技術 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)