レーザー加工機の構造をやさしく解説 - 発振器・光学系・駆動系
レーザー加工機は「光をつくる」「光を運んで絞る」「狙った位置へ動かす」の組み合わせです。各部の役割を初めての方向けに解説します。
2026-09-17
3つの要素で考えると分かりやすい
レーザー加工機は多くの部品でできていますが、役割で分けると大きく3つの要素に整理できます。
- 発振器/レーザー光をつくる光源
- 光学系/光を加工点まで運び、小さく絞る部分
- 駆動系/加工点を図面どおりの位置へ動かす部分
これらを制御装置(NC)とソフトウェアがまとめて動かし、チラー(冷却装置)やアシストガスの供給装置、集塵機などの周辺装置が加工を支えています。ここでは金属用のファイバーレーザー切断機を例に、それぞれの役割を見ていきます。構造を知っておくと、カタログの仕様やトラブル時の説明がぐっと理解しやすくなります。
発振器と光学系 - 光をつくり、運び、絞る
ファイバーレーザーの発振器では、励起用の半導体レーザーの光を、希土類元素を添加した特殊な光ファイバーに送り込んでレーザー光を発生させます。発振器は運転中に熱を持つため、チラーで冷却しながら使います。
発生した光は、伝送用のファイバーで加工ヘッドまで運ばれます。ヘッドの中では、コリメートレンズで光を平行にそろえ、集光レンズで小さな点に絞ります。レンズの下には保護ガラスがあり、加工で飛び散る粉じんやスパッタからレンズを守っています。ヘッドの先端にはノズルがあり、アシストガスを光と同じ方向に吹き付けます。多くの切断機では、センサーでノズルと材料の距離を一定に保ちながら加工します。原理の基本はファイバーレーザーとはで紹介しています。
駆動系と制御 - 図面どおりに動かす
駆動系は、加工ヘッドを縦横に動かすための機構です。門型のフレーム(ガントリー)にヘッドを載せ、サーボモーターと、ラック・ピニオンやボールねじ、直線ガイドなどを組み合わせて正確に移動させる構成が一般的です。
動きを指令するのが制御装置です。CAD/CAMソフトで図面データから加工経路と条件をつくり、制御装置がその指令どおりに、モーターの動きとレーザーの出力を同時に制御します。速度を上げるほど加減速の負荷は大きくなるため、フレームの剛性や駆動系の調整状態は、寸法精度や切断面の品質に影響します。なお、マーキング機では加工ヘッドを動かす代わりに、ミラーで光を振るガルバノスキャナが使われるのが一般的です。
周辺装置と日常の目配り
| 部位 | 役割 | 日常の目配り |
|---|---|---|
| チラー | 発振器などを冷やす | 水温・水量・アラーム |
| 保護ガラス・ノズル | レンズを守り、ガスの流れを整える | 汚れ・傷・変形 |
| 駆動部 | ヘッドを動かす | 切りくずの堆積・異音 |
| 集塵・排気 | ヒュームを回収する | 吸い込みの低下・フィルターの状態 |
点検の頻度や方法は機種ごとに異なるため、取扱説明書に従うのが基本です。安全カバーやインターロック(扉を開けると照射が止まる仕組み)は作業者を守る重要な装置で、無効化してはいけません。冷却の管理はチラーの役割と日常管理で詳しく解説しています。構造を踏まえた機種選びは、お問い合わせからお気軽にご相談ください。