技術

革・布のレーザーカット - ほつれにくい切断面

布や革は刃型を作らずに切れるのが強み。溶断でほつれを抑える仕組みと、素材ごとの注意点を整理します。

2026-10-09

刃型なしで切れる強み

革や布のレーザーカットは、刃型(抜き型)を作らずに形を切り出せるのが最大の利点です。データを差し替えれば形状をすぐ変えられるので、試作やサイズ展開、少量多品種の生産と相性がよい加工です。細かい抜き文字や複雑な曲線など、刃物では難しい形にも対応できます。

加工には一般にCO2レーザー(波長約10.6μm帯)が使われます。型の製作費と納期が不要になるぶん、企画から試作までの回転が速くなるのも実務上の利点です。裁断を内製すれば外注の納期に左右されにくくなる点も見逃せません。一方で、扱える素材が限られることと焦げの管理が必要なことは、刃型にはない制約です。少量生産の考え方は小ロット生産もご覧ください。

ほつれにくい切断面になる理由

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は、熱で溶けて固まる性質があります。レーザーで切ると切断と同時に切り口の繊維が溶着するため、そのままでもほつれにくい端面になります。ほつれ止めの縫製や処理を省ける場合があり、工程短縮につながります。

一方、綿や麻といった天然繊維は溶けません。切り口はきれいに揃いますが、溶着によるほつれ止めの効果は期待できず、焦げも出やすくなります。混紡では合成繊維の比率によって仕上がりが変わるため、素材表示の確認が欠かせません。同じ「布」でも結果が大きく変わる点が、この加工の勘所です。端面の仕上がりは生地の厚みや目の詰まり方でも変わるため、量産前に洗濯や摩擦といった実際の使われ方で確かめておくと安心です。

革と合成皮革の扱い

革は種類による差が大きい素材です。植物タンニンなめしの革は扱いやすいとされ、クロムなめしの革については加工時の生成物に懸念が指摘されています。取り扱いの前に、必ず供給元やSDS(安全データシート)で素材の情報を確認してください。

合成皮革はさらに注意が必要です。塩化ビニル(PVC)系の合成皮革は塩素を含むため、加工してはいけない素材にあたります。ポリウレタン系との見分けは外観では困難なので、納入仕様とSDSで判断してください。素材ごとの可否は加工できる素材のガイドにまとめています。支給材を加工する場合は、素材の情報を書面でもらう取り決めにしておくと、後のトラブルを防げます。情報が得られない素材は加工しないという線引きを、社内で共有してください。

仕上がりを安定させる段取り

  • 軽い生地は浮きやすいので、押さえや治具で確実に固定する
  • 焦げと臭いは排気で大きく変わる。集塵と換気を先に整える
  • 伸縮性のある素材は寸法変化を見込み、実寸で確認する
  • 抜き位置や縫い代はデータ側で管理し、現場で調整しない
  • 色の薄い素材は焦げが目立つため、条件を別に持つ

とくに固定と排気は、条件を細かく詰めるより先に手を入れたい部分です。型紙のデータは縮尺と単位を必ず確認し、初回は一枚だけ切って現物合わせをするのが確実です。同じ品番でも入荷ロットで風合いが変わることがあります。素材によって仕上がりが大きく変わる分野ですので、実際に使う生地や革でのテスト加工はお問い合わせからご相談ください。

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よくある質問

布の切り口は本当にほつれませんか?
合成繊維であれば溶着によってほつれにくくなりますが、素材や織り方、使用時の負荷によって差があります。天然繊維では効果は限定的です。実際の生地で切ってから、引っ張ったり洗ったりして確認するのが確実です。
厚い革も切れますか?
切れる厚みは機種と素材で変わるため、一律には言えません。厚みが増すほど切断面の焦げや断面の傾きが出やすくなります。使う革の実物でテストし、断面の見え方と後処理の手間まで含めて判断してください。

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2026-10-09 / カテゴリ: 技術 / サンマックスレーザー株式会社(製品は国内で最終組立・検査・調整しています)